デーン・ガダスカス:いつでも楽天主義で、どこまでも情熱家。
潮回りは干潮に向けて動いていて、うねりも風も強さを増していた。「人が完全にいなくなったね」とデーンは言った。波をキャッチすることさえリスクを伴うコンディションだったが、彼はそのリスクと報酬を天秤にかけていた。彼はパーフェクトなコンディションのクラウドブレイクを見たのは一度しかなく、5月25日はデカい以外の何物でもなかった。デーンは横へ横へと進んで行く方向が最も安全なラインだと判断。そうすればバレルがデーンを包み込んでくれると考えていた。しかし、バレルになる波はほんのわずか。リップが前から崩れてくる波がほとんどだった。多くの場合、テイクオフして真っ直ぐ横に進むのが一番安全なラインだったのだ。しかし、それでもリスクは伴う。デーンがワイプアウトしたあと、誰もがこのコンディションが一か八かであることがわかった。デーンは2回目のセッションに挑み、手探り状態で行ける波と自分のラインを見つけようとした。しかし、ついには一本の波もキャッチせず、ボートにパドルで戻ってくることになってしまった。
「クラウドブレイクでサーフィンするということは、会話を交わすようなものなんだ」とデーンは語る。「それはギブ・アンド・テイクで成り立っていて、ライン上でなにが起きるかわからないんだよ」
クラウドブレイクはデーンにとってスペシャルな場所だ。その複雑なブレイクを学ぶことに自らを捧げていて、そこで波に乗ることで少しずつ自分の理想のサーファーに近づいている。だからこそデーンは風が東向きに好転した瞬間の、わずかな変化を見逃すことがないのだ。それからデーンは3ラウンド目のセッションに挑む。彼は心を揺り動かすような波を一本だけでもいいから乗りたいと考えていた。最初の波は小さめの横に走るだけのブレイク。東風が続く中、デーンはもっと大きな波をキャッチしたが、ドロップするだけでバレルにはならない。この初めの2本はリズムを掴むための波のように見えた。それからラインナップに戻ったデーンは、パーフェクトな4ftの膨れ上がって大きくなるような波を見つけた。デーンは体をくるりと回す。ボトムまでのドロップは、体感時間でなく実際の時間もかなり長かった。7’4”のボードのノーズは、ワイプアウトの危険がはらんだフェイス上の筋を、苦労しながらもやり過ごしていった。デーンはボトムターンに移ってから彼が描いていた横へと進むライン取りをし、そして巨大なバレルに吸い込まれていった。そのときのビッグボードは、まるでトボガンぞりのように見えた。波の内側は神々しく輝いている。「青く光っていて、周りがすべてブルーなんだ」とデーンは言う。「自分がブルーな人間になったみたいだったよ」
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