写真=クリス・バーカード
「北極圏でサーフィンしたのは初めてだよ」と南カリフォルニアをベースとするサーファー、デーン・ガダスカスは言った。彼はこの旅に出かけるまで10年もの間、雪を見たことがなかったという。「自分の顔が寒さで膨れているのがわかったし、体が全然動かないんだ。でも、すごく興奮したし、一日中サーフィンできるような気分だったよ」。サーファーのキース・マロイ、パット・ミリオン、そしてサム・ハマーも、このノルウェイへの探検に参加。この国は、気候がさんさんと太陽からの光が降り注ぐ快晴から、横殴りのひょう、みぞれ、そして雪まで、一気にころりと変化してしまう場所なのだ。
「僕たちは家の中でウェットスーツに着替え、それから凍った道路をビーチまで歩き、さらにときには腰くらいまで降り積もっている雪の中を歩いていかなければならない。そうやってようやく水際まで辿り着くんだよ」とガダスカスは振り返る。実際、彼らのグループは、彼らを見かけた地元のサーファーたちに助けられたほどだった。「海水が肌に直接触れると、まるで火でやけどしたような感じになるんだ。それはパドリングで体が暖まるまでずっと続く。もしくはおまじないかなにかをかけない限り無理だね」