カイ・オットンが6’0”のThe Protonに乗り、ファイナルでナット・ヤングを下して優勝。
カイ・オットン(オーストラリア)33歳が、リップカールプロ・ポルトガル・プレゼンテッドバイ・モーチェで、ルーキーのナット・ヤング(アメリカ)22歳を相手に激しいファイナルを繰り広げ、3〜5フィート(1〜1.5メートル)の波が割れるスペルトゥーボスで優勝を果たした。
2013年ASPワールドチャンピオンシップツアー(WCT)の全10戦のうち第9戦目となったリップカールプロ・ポルトガル・プレゼンテッドバイ・モーチェ。この日は5ラウンドを開催し、すべてにおいて内容の濃い戦いが演じられた。なお、この日オットンがイベントに優勝したことによって、ASPメンズ・ワールドチャンピオン・タイトル争いはハワイまで持ち越しとなった。
波数の少ない30分ファイナルを制したのがオットンだった。オットンはファイナル最初のライディングでハイスコアに成功して次第に弾みをつけ、ヤングを上回ってのASP WCTでの生涯初優勝となった。
「本当に妙な気分で、言葉に表すことができないよ」とオットンは語った。「この優勝は、自分の祖父に捧げます。祖父は自分がエリートツアーにクオリファイした年に亡くなり、実際に僕がエリートツアーで戦う姿を見ていないから、今日の優勝は祖父のため。難しいイベントだったよ。ヒートごとに潮の変化でコンディションが大きく変わり、予測するのが本当に困難だった」
この日優勝を果たしたオットンは、ASP WCTランキングを7位にまで上げた。実際に2013年シーズンを通して最も安定していたサーファーの一人で、遂に世界最高峰のツアーで頂点に立った。ファイナルデーで絶好調だったオットンは、ファイナルまでにジョン・フローレンス(ハワイ)、過去2度ASPメンズ・ワールドチャンピオンを獲得したミック・ファニング(オーストラリア)、そしてディフェンディングASPメンズ・ワールドチャンピオンのジョエル・パーキンソン(オーストラリア)に下してのファイナル進出となった。
「今年自分の中での最も大きな変化のきっかけとなったのが、ガールフレンドの妊娠で、自分もかなり興奮しているよ」とオットンは語った。「信じられない。本当に期待しているんだ。さらに感謝したいのが、自分のホームタウンであるタトラのみんなのサポート。それに、両親にも感謝しているよ。本当にみんなのお陰で今日の自分があるんだと思う」
ファイナル開催の前、今年のASPルーキーオブザイヤーが発表されて、その受賞者がナット・ヤング(アメリカ)と発表された。イベントを通して絶好調だったヤングは、2013年シーズンで2度目のファイナル進出となった。35分ファイナルで終始活発に動き続けたヤングだったが、最終的にオットンを上回る演技はできなかった。
「いい波を見つけることができなくて、終始かなりいらつくファイナルだった」とヤングは語った。「海の中をいい波を探して動き回って、最後は疲れ切ってしまった。最高の一日だったけど、同時にあと一歩で優勝を逃して悔しい。それでも納得のいく成績で、しかもルーキーオブザイヤーを取れたのは嬉しいよ」
準優勝したヤングは、この日のファイナルまでの道のりで、ジョディ・スミス(南アフリカ)、そしてジョシュ・カー(オーストラリア)に勝利。そういう意味でも価値の高いファイナル進出だったと言える。ヤングはこの日の準優勝の結果、シーズン最終戦を残してランキングベスト10以内につけた。
ファイナルデーを通して最も質の高いサーフィンをしていたのが、ジョシュ・カー(オーストラリア)で、ラウンド5ではヒートトータルスコアを18.40ポイントに伸ばし、タジ・バロウ(オーストラリア)に勝利。しかし、トリッキーになったクオーターファイナルでも勝利した彼の快進撃は、セミファイナルでヤングに敗れて終わった。
「終わってみればいい成績だったけど、悔しいイベントでもあったね」とカーは語った。「ずっとリズムを掴めなくて、なんとか勝ち続けてきたけど、実際には手応えはあんまりなかった。あるヒートではすぐに9点台を出しながら、次のいいスコアが出るまでにヒート終盤までかかったからね」
好調なジュリアン・ウィルソン(オーストラリア)、マット・ウィルキンソン(オーストラリア)に勝利してのセミファイナル進出となったディフェンディングASPメンズ・ワールドチャンピオンのジョエル・パーキンソン(オーストラリア)は、最終的にオットンに敗れ、ポルトガルで最終順位が3位入賞に終わり、2013年ASPメンズ・ワールドチャンピオン争いから脱落となった。
クオーターファイナル進出し、リップカールプロ・ポルトガル・プレゼンテッドバイ・モーチェで5位に入賞したことによって、ASPメンズ・ワールドチャンピオン争いで、一歩前進したのがミック・ファニング(オーストラリア)だ。スペルトゥーボスで3度目の優勝を狙ったファニングだったが、クオーターファイナルでオットンに敗れ、その願いは叶わなかった。
「悔しい。いいサーフィンを見せたかったけれど、できなかった」とファニングは語った。「でも、少しポイントを積み上げられたから嬉しい。よりいいポジションでパイプラインに向かうことができるし、今からハワイが待ち切れない。トリプルクラウンすべてに参戦するつもりだから、楽しみだね。今シーズンは多少苦労したけど、それでもなんとか勝ち続けることができた。勝利への道は遠いよ。常に次の目標に向かうのみだね」
2013年ASPワールドチャンピオンシップツアーは、最終戦を残してタイトル争いがミック・ファニング(オーストラリア)とケリー・スレーター(アメリカ)の2名に絞られた。
ファニングがリップカールプロ・ポルトガルで5位入賞したことにより、スレーターがパイプラインでファニングを逆転してASPメンズ・ワールドチャンピオンになるには、優勝が絶対条件となる。仮にスレーターが優勝した場合でも、ファニングは3位以上でASPメンズ・ワールドチャンピオン獲得となる。
リップカールプロ・ポルトガル・プレゼンテッドバイ・モーチェについての詳細は下記公式サイトを参照のこと:
ツアーに関して更に詳しい情報は下記サイトを参照のこと:
RIP CURL PRO PORTUGAL ファイナル公式結果:
1 – Kai Otton (AUS) 12.23 2 – Nat Young (USA) 11.03
RIP CURL PRO PORTUGAL セミファイナル公式結果:
SF 1: Kai Otton (AUS) 14.83 def. Joel Parkinson (AUS) 12.23
SF 2: Nat Young (USA) 14.07 def. Josh Kerr (AUS) 10.66
RIP CURL PRO PORTUGAL クオーターファイナル公式結果:
QF 1: Joel Parkinson (AUS) 15.07 def. Julian Wilson (AUS) 14.90
QF 2: Kai Otton (AUS) 10.00 def. Mick Fanning (AUS) 9.43
QF 3: Nat Young (USA) 15.10 def. Jordy Smith (ZAF) 14.54
QF 4: Josh Kerr (AUS) 10.67 def. C.J Hobgood (USA) 8.56
RIP CURL PRO PORTUGAL ラウンド5公式結果:
Heat 1: Joel Parkinson (AUS) 17.17 def. Matt Wilkinson (AUS) 11.10
Heat 2: Kai Otton (AUS) 14.60 def. John John Florence (HAW) 12.16
Heat 3: Jordy Smith (ZAF) 13.33 def. Miguel Pupo (BRA) 8.90
Heat 4: Josh Kerr (AUS) 18.40 def. Taj Burrow (AUS) 15.53
RIP CURL PRO PORTUGAL ラウンド4公式結果:
Heat 1: Julian Wilson (AUS) 14.50, Joel Parkinson (AUS) 10.50, Kai Otton (AUS) 9.90
Heat 2: Mick Fanning (AUS) 12.00, John John Florence (HAW) 11.70, Matt Wilkinson (AUS) 4.74
Heat 3: Nat Young (USA) 14.67, Jordy Smith (ZAF) 9.60, Josh Kerr (AUS) 6.46
Heat 4: C.J Hobgood (USA) 15.33, Taj Burrow (AUS) 9.30, Miguel Pupo (BRA) 8.17