ケリーの66度目となるASPでの優勝と、8度目となるパイプでの勝利。6’3”のThe Semi Pro 12に乗って、ケリーはイベントのハイスコア1位から4位までを独占した。
ケリーの10ポイントライドのときの1枚。乗っているのは6’3”×11 1/2”×18 1/4”×13 1/2”×2 1/2”のThe Semi Pro 12。撮影:ビールマン
エピックなトリプル・オーバーヘッドのバレル・コンディションの中で開催されたボルコムパイププロのファイナルヒートで、一本目のライディングから圧倒的なパフォーマンスを披露した11度のASPメンズ世界チャンピオンであるケリー・スレーター(フロリダ、USA)が、見事に優勝を果たした。ケリーにとって今回の優勝はASPツアー通算66勝目となり、さらに バンザイ・パイプラインでのASPイベント8勝目となった。2月11日で満42歳となるケリーにとって、今シーズンはASPツアーに参戦して24年目の年。そして、ボルコムパイププロは賞金総額$130,000のASP 5スターWQSイベントだった。
ファイナルの終盤、猛チャージを仕掛けて準優勝したのは24歳のウィゴリー・ダンタス(ブラジル)。さらに3位には25歳のローカルボーイ、メイソン・ホー(ハワイ)、そして4位が26歳のアドリアーノ・デスーザ(ブラジル)となった。
優勝したケリーはパーフェクト10を含む(10、9.83、9.77、9.73、そして9.53)と、イベント通してのトップ10のスコアのうち5本を独占した。さらにファイナルデーの朝に開催されたラウンドオブ32では、イベント通して最も高いヒートハイスコアとなる19.77ポイントに成功。帝王ケリーは30分間、パイプラインを数名で独占できるコンペティターならではの特典を十分にエンジョイして、最高の演技を披露した。
ケリーは何回かハンズ・フリー・レイト・ドロップを成功させ、そしてこれ以上ないボトムターンをしながらバレルを次々とメイク。12月に見たときよりもステップアップしていると感じさせるに十分な演技だった。ケリーは自らの限界をプッシュすることによって、セッションを重ねるごとに進化を続けている。
「生涯でベストなパイプラインだったよ」とケリー。「今朝は怖いくらいすさまじいコンディションだった。ダブル・アップするニュースウェルが入ってきて、本当に最高だったね」
「ぎりぎりでメイクした波も何本かあったよ。でも、高いパフォーマンスを引き出すことは十分に可能だった。重要なのは、目標に向かって努力すること。それをできるかどうかが鍵だったね」
パイプラインでの過去の経験について、ケリーはさらに語った:「12歳のときのことを思い出すね。1984年にジョーイ・ブランがパイプラインで優勝した翌朝に会ったんだ。当時を振り返ると……、最初に見た波が完璧なバレルで、すごく印象に残ってる。これでパイプラインの虜になって、今も虜のままだよ。チャレンジは終わらないんだ。今日もすごいコンディションの中で十分に勉強をさせてもらったよ」
ケリー・スレーターが使用した6’3”×11 1/2”×18 1/4”×13 1/2”×2 1/2”のThe Semi Pro 12
この日、ケリーに次いで2位になるのが目標だと語っていたメイソン・ホー(ハワイ)は、一時逆転の可能性もあった。ケリーのバックドアでの一本目がエクセレントな9.53ポイントを叩き出したのに対して、メイソンも7.7ポイントで反撃。さらに終盤にも逆転に必要なクオリティの高い波を待っていたが、この日のバックドアは彼に味方をしてくれなかった。
一方、終盤の5分で難易度の高い2本のバレルをメイクしたウィゴリー・ダンタスは、逆転で2位に浮上。この日、好調だったダンタスはファイナルでエクセレントな8.27ポイントをスコアすることに成功している。
この日の序盤に絶好調だったアドリアーノ・デスーザは、ファイナルでその調子を維持することができないまま。スコアも10.7ポイント止まりで、イベントを4位で終えた。終盤ようやく2本、波に乗ったが、最後まで本調子とはいかなかった。
好調だった2人のクイーンズランド州出身のオーストラリア人、ミッチェル・コレボーンが7位、そしてブレント・ドリントンが9位となった。
もし特別賞の設定があったら、ブレントが対象者となっていたはずで、最もエキサイティングなパフォーマンスと共に強烈なワイプアウトも印象的だった。
今年こそWCTへのクオリファイを目指すミッチェルは、ボルコムパイププロがパイプラインでの貴重な実践練習になったが、セミファイナルではケリーに敗れた。
「間違いなくパイプラインでの貴重な経験になったよ」とミッチェルは語った。「当然いつかはパイプマスターズに出場するのが目標だよ。今年はWCTのインジャリー・リプレイスメントの関係からその可能性があるし、今回のイベントはいい練習になったと想う」
「ケリー・スレーターと対戦したセミファイナルでは、ケリーの術中にはまっちゃったね。いくつかミスもしちゃったし、バレルも何本か抜けられなかった。そんな感じさ」
2年連続でボルコムパイププロのファイナル進出を狙ったオロマナ・エレオグラム(ハワイ)は、ラウンドオブ32でこの日ハイスコアの上位に入るライディングをメイク。だが、クオーターファイナルで悲劇が起こった。ボトムターンのときにバレルのリップがヒット。サーフボードが足に当たり、足を骨折してしまったのだ。そして、ハワイアン・ウォーターパトロールに救出され、病院に搬送されたのだった。
ハワイ出身のコンペティターたちにとってボルコムパイププロは特別な意味を持つ。それはこのイベントが公式なパイプマスターズの予選としてのイベントだからだ。ボルコムパイププロでトップ8名に入ったハワイアンサーファーが、2014年パイプマスターズにローカル・シード・ワイルドカードとして出場できる。2014年パイプマスターズは12月にトリプルクラウンの一戦として、そしてASP ワールドツアーの最終戦として開催される。
2014年ボルコムに関しての詳細は公式サイトhttp://www.volcompipepro.comからチェックできる。公式ウェブサイトではHDのライブ動画を始め、結果のアップデート、選手のプロフィール、ニュース、静止画を含む豊富なコンテンツが楽しめる。
ボルコムのニュー・フューチャー・コミットメント、およびサステイナブル・コーストラインズ・ハワイとのパートナーシップにより、このイベントはディープ・ブルー・サーフ・イベントのガイドラインに沿って開催される。このガイドラインはサステイナブル・サーフとASPノースアメリカが作成した、サーフィン・イベントでのより環境にやさしい取り組みである。詳しくはボルコムパイププロ・ウェブサイトにあるニュー・フューチャーのタブを参照のこと。
リザルト:
FINAL:
1st. Kelly Slater, USA – 15.7 (9.53, 6.17) $20,000 + 2000 ratings points
2nd. Wiggolly Dantas, Brazil – 13.77 (8.27, 5.5) $10,000 + 1500 ratings points
3rd. Mason Ho, Hawaii – 11.5 (7.7, 3.8) $6,500 + 1125 ratings points
4th. Adriano De Souza, Brazil – 10.7 (8.43, 2.27) $5,500 + 984 ratings points
SEMI-FINALS:
1st & 2nd advance; 3rd=5th; 4th=7th
H1: Kelly Slater (USA); Wiggolly Dantas (BRA); Dusty Payne; Mitchel Coleborn (AUS)
H2: Adriano De Souza (BRA); Mason Ho (HAW); Kiron Jabour (HAW); Torrey Meister (HAW)
QUARTER FINALS:
1st & 2nd advance; 3rd=9th; 4th=13th
H1: Wiggolly Dantas (BRA); Mitchel Coleborn (AUS); Nathan Yeomans (USA); Olamana Eleogram (HAW)
H2: Kelly Slater (USA); Dusty Payne (HAW); Brent Dorrington (AUS); Conner Coffin (USA)
H3: Adriano De Souza (BRA); Torrey Meister (HAW); Damien Hobgood (USA); Cory Arrambide (USA)
H4: Mason Ho (HAW); Kiron Jabour (HAW); Maxime Huscenot (FRA); Brian Toth (PRI)
ROUND OF 32:
1st & 2nd advance; 3rd=17th; 4th=25th
H1: Olamana Eleogram (HAW); Dusty Payne (HAW); Leandro Usuna (ARG); Tanner Gudauskas (USA)
H2: Mitchel Coleborn (AUS); Brent Dorrington (AUS); David do Carmo (BRA); Fred Patacchia (HAW)
H3: Kelly Slater (USA); Nathan Yeomans (USA); Krystian Kymerson (BRA); Charles Martin (GLP)
H4: Conner Coffin (USA); Wiggolly Dantas (BRA); Chris Ward (USA); Kalani David (HAW)
H5: Torrey Meister (HAW); Brian Toth (PRI); Kaito Kino (HAW); Evan Geiselman (USA)
H6: Damien Hobgood (USA); Maxime Huscenot (FRA); Parker Coffin (USA); Kaito Ohashi (JPN)
H7: Mason Ho (HAW); Adriano De Souza (BRA); Jamie O’Brien (HAW); Carlos Munoz (CRI)
H8: Kiron Jabour (HAW); Cory Arrambide (USA); Ian Gouveia (BRA); Guillermo Satt (CHL)