Headspace:テイラー・ノックス

テイラーの頭の中にあるものはなにか? イナーシャが調査した。


イナーシャに登場したテイラー・ノックス

“テイラー・ノックスがASPワールドツアーへの参戦を果たしたのは、スノーのインフォーマーがビルボードのトップシングルを7週連続で獲得したのと同じ年だ。そう。1993年はいい年だった。そしてこのカールスバッドローカルは、競争激しい世界でパワフルなサーフィンスタイルを擁し、2012年いっぱいでツアーを引退するまで18年もの間、記憶に残る活躍を見せ続けた。しかし約20年も最前線でガツガツと戦ってきたにも関わらず、今回我々の目の前に座ったテイラーは、コンペティションの世界で成功を収めるために自分が「冷徹な殺し屋」のような感覚を持ったことは決してなかったと言う。また、33人のとても近しい友人たちと共にASPツアーランキングを上り詰めようとしていた頃よりも、波を求めて自由気ままに旅する現在のほうが、より心地よく感じているようになったとも言う。

驚くべきことがある。その一つは、10代の若者としてテイラーは選手生命の危機に陥るほどの大きな脊椎損傷を経験したということ。また、テイラーはワールドタイトルをホームのカールスバッドに持ち帰ることができなかったにも関わらず、完全なコンペティターであることを誰も否定できないということだ。ツアーにほぼ20年いたという事実は決して軽視できるものではない。テイラーは旅する機会を楽しみ、サーファーとして、そして人としての幅を広げつつ、最近はサーフフィットと呼ばれるサーファーのためのフィットネスを開発することに力を注いでいる。

今回、ハワイでテイラーと会ったとき、彼は私たちと貴重な時間をシェアしてくれた。テイラーはこれで現役が終わったとは思っていない。なによりテイラーは表舞台から消えてしまうことを恐れているし、前に向かって進んでいるように見える。それから、まだ他にもいろいろと話を聞いた。

そんなテイラーの声に耳を傾けてほしい。