セミファイナル前のインタビューでジョディ・スミスの心がほとんど折れているかのように感じる瞬間があった。それでもファイナル進出を果たし、明らかにジョディはほっとしているようだった。そして、セミファイナルでケリー・スレーターを敗ったジョンジョン・フローレンスと対戦。そこで近くで観ていた人はこう思ったことだろう。「ジョディ、君はファイナルにまで勝ち上がってこれたことに喜びすぎているんじゃないか」と。おそらくハーレープロのファイナルで戦うにはベストな精神状態ではなかったかもしれない。その日の早い時間にセミファイナルのヒートで同じような精神状態で敗れたジョアン・デフェイをロス・ウィリアムスが激しく叱責した場面をジョディは見なかったのだろうか? そしてジョディにも同じことが起こってしまうのだろうか?
しかし、ジョディは9.33という素晴らしいオープニングライドを見せつけると、廻りのそうした意見をほとんど封じ込めた。だが、そこからが続かない。その次から手を出した7本の波で、どれも3.03以上のスコアを叩き出せない。一方、ジョンジョンも9ポイント以上のスコアがないままヒートが推移。実際、ジョディはジョンジョンに対してほとんど優勝トロフィーを差し出しているかのような状況だったのだ。だが、ジョンジョンがソリッドなスコアを2つ叩き出すと、ジョディはそんな休止状態から目覚め、ジョンジョンの優勝の目を潰したのだ。6.54が必要だったジョディは長い壁が張ったライトの波にテイクオフし、大技というわけではなく、何度か効果的なマニューバーを披露し、それかピーター・メルとの気まずいウォーターインタビューを通り過ぎて、スコアを待った。得点は逆転となる7.17。それはジョディが最もプロらしく、勝利を目指して賢くサーフィンして飾ったキャリア4度目の優勝だった。
テキスト:ジャスティン・ハウスマン/Surfer Magaizne
撮影:トラビス・リー