美しいアマゾンの熱帯雨林が広がり、マチュピチュの遺跡でも知られる南アメリカの国ペルーは、21歳のハイエアリアルを得意とするミゲール・トゥデラの母国だ。ミゲールは20フィートのヘビーなワイメアと同じように、2フィートの厚いショアプレイクの波を乗りこなすサーファーとして名を上げてきた。ノースショアのパイプラインでヘビーなコンディションにチャージする彼の姿を目にしてきたし、スモールウェーブのコンテストで好成績を残してライディング能力を証明したりしてきたが、現在、ミゲールは彼本来の情熱が向かう先であるビッグウェーブサーフィンに心から集中していくことを決心している。
彼の最新映像“Two To Twenty”では、ミゲールについてより深く知ることができ、ミゲールのスポーツとしてのサーフィンやサーフィンにまつわるすべてのものに対する心からの情熱を感じることができる。
君が関わっているこのプロジェクトに対する最初の印象はどんな感じだった? True to This(これが本物)に関わるっていうことは君にとってどんなことを意味している?
初めてこのプロジェクトについて知ったときは超うれしかったよ。だって、これが自分のことや僕の能力をいろんな人に知ってもらう絶好の機会だって思ったからね。自分が好きなことに没頭しているとき、信じられないような瞬間を実感することがよくあるよね。僕にとって“True to This”はそんな情熱を持つってことなんだ。
もしエディアイカウメモリアルかWSLイベントに招待される機会があるとしたら、君はどっちを選ぶ? それはなぜ?
難しい質問だよ!(笑)一つだけ大きなイベントでサーフィンする機会を与えられるとしたら、エディを選ぶと思うな。世界の名だたるサーファーの中でも限られた人だけが招待されるとても名誉あるイベントだからね。ビッグウェーブにチャージするのは大好きだし、僕にとっての憧れの人たちとサーフィンできるなんて夢みたいだよ。
ラテンアメリカでお気に入りの波はどこ? もちろんペルーを抜きにしてね。
チリのプンタロボスかな。3回しかサーフィンしたことないけれど、超気に入ったよ。また行ける日を指折り数えて楽しみにしてるんだ。
ピコアルトは君にとってとても意味のあるサーフスポットだけど、初めてサーフィンしたときはどんな感じだった? お父さんとのなんだか楽しいエピソードがあるって聞いたんだけど…。
ピコアルトは僕のお気に入りの波さ。あそこで初めてサーフィンしたのは、確か14歳か15歳のときだったかな。学校に行く途中に父親が電話してきて、「お前の友達はみんなピコアルトにサーフィンしに行くぞ。お前も行く気はあるか?」って訊いてきたんだ。そりゃドキドキしたよ! すごく怖かったけど、同時にやる気が出てきて、「一緒に行くよ!」って言ったんだ。父親が初めてピコアルトでサーフィンしたのは13歳って言ってたから、本当は自分的には同じ年齢かもっと若いときにやりたかったんだ。今では父親と一緒にビールを飲んだときは、父親は必ず自分の最初のピコアルトでのサーフィンの話を持ち出してくるよ。リーシュもなくて、ウェットスーツもなくて、もちろんジェットスキーもなかったって。想像できる? だって、ここの波は2マイルも沖で割れるんだよ! 周りにはなにもない場所なんだ。ハワイアンは昔、よくここでサーフィンしてたらしいよ。その頃のペルーとハワイのおもしろい話を聞いたことがあるんだ。
ボルコム・ハワイハウスの一番おもしろい話は?
いい話はたくさんあるよ。もちろん言えないことだってある(笑)。
去年、サンセットでは最悪のヒートを経験したんだ。ウィルコを相手にプライオリティを持ったまま残り5秒というところでウィルコはインサイドで波に乗って、ヒートをひっくり返すのに必要なスコアを出して僕は負けた。すごくフラストレーションが溜まってたから、パイプのボルコムハウスまで走って戻って、ボードを抱えてみんなにこの日一番の波に乗るって豪語したんだ。そしたら本当にできちゃったんだよ! ラインナップについて5分で山のようなドデカいセットが目の前に迫ってきた。人生で一番っていえるくらいのバレルだったよ。みんな僕を見て笑ってたね。
君はショートボードとビッグガンに乗るけど、毎年どれくらいの本数を使うの?
去年はチャネルアイランズサーフボードを38本乗ったよ。5’7”から10’2”まで使ったんだ。
理想のサーフセッションを教えてくれる?
理想は僕と友達以外誰もいないAフレームのシークレットスポットで、ノンストップにバレルに乗ることさ。これって誰もが夢に描いていることじゃない?(笑)
旅に出かけるときは、何を最初に準備する?
サーフボード! 空港に行って、ボードを忘れたなんてわかったときには最悪だよ!
今まで旅した中でお気に入りの場所は? それは誰と行ったの?
これまでのところのお気に入りはチリのピチレムだね。人も食べ物も波も、すべてが最高の場所だったよ。僕が行ったときは父親とガールフレンドが一緒だったんだ。
夜明けが好き? それとも夕暮れ時のほうが好き?
どっちも好きだけど、どっちか選ばなきゃいけないなら夕暮れ時かな。夢のようなセッションを美しい夕日とともに味わって1日を終えるなんて、最高の気分だよ。
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